先物取引所の役割と上場商品


商品取引所の役割と上場商品

商品先物取引の社会での役割は「価格の安定」を図ることです。一般的にはなじみの薄い取引ですが、今日の経済にはなくてはならないものとなっています。
商品先物は株式と同じように公設の市場で取引することが出来ます。現在日本には、東京工業品取引所、東京穀物商品取引所、横浜商品取引所、中部商品取引所、関西商品取引所、大阪商品取引所、福岡商品取引所の7市場があります。

この商品先物市場の役割は、
  • (1) 現物商品の価格変動リスクの回避
  • (2) 公正な価格形成
  • (3) 需要と供給の調整
が上げられます。


(1) 現物商品の価格変動リスクの回避

価格変動リスクの回避とは、商品が生産されるとそれを売買する市場で自由に値段が決められます。商品が余れば価格は安く、商品が品不足になれば価格は高くなります。しかし、価格の変動が不安定になると経済に悪影響を及ぼすだけでなく、商品を生産する側にとってもせっかく生産した品にいくらの値段がつくが不安になります。ここで価格変動リスクに対する保険が必要になってきます。現物取引で買い付けたものを先物市場で売り繋ぐことにより、又は現物取引で売り付けたものを先物市場で買い繋ぐことにより、リスク回避を実現出来ます。このように先物取引でこのような取引を行なうことにより商品の値崩れや暴騰による損失を回避することが出来るようになります。

先物取引におけるヘッジシステム

(2) 公正な価格形成

商品先物市場では数多くの取引参加者が参加しているため、未来に実現するだろうとする価格について売り買いを出し合うため、その結果として価格形成が行なわれます。このようにして形成された価格は、特定の主体又は少数の主体によって形成された価格よりも公正な価格と言えます。

(3) 需要と供給の調整

現物市場においては、一時に大規模な商取引が行なわれ、需要と供給のバランスが崩れることがあります。このような際、価格が急激な値動きをするのを防ぐ役割も先物市場は担っています。

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【各取引所の紹介】


■東京工業品取引所

金、銀、白金などの貴金属からガソリンや原油などの石油類にゴムと工業品全般が取引されている取引所。国内商品先物取引の6割弱がこの取引所で取引されます。また、世界的にはニューヨーク商業取引所(NYMEX)に次ぐ世界第二位の取引所です。

■東京穀物商品取引所

農産物・砂糖を扱う取引所です。昨今では、コメの上場や横浜商品取引所との合併で話題になっています。

■横浜商品取引所

はまじゃがの愛称で呼ばれるじゃがいもや野菜先物など、他の取引所にはない商品を上場しています。また、世界で唯一繭糸3商品を取り扱う取引所でしたが、乾繭が昨年上場廃止になっています。

■中部商品取引所

鉄スクラップ、ガソリン、鶏卵など多彩な商品を揃える取引所。東京工業品取引所にもガソリンなどは上場されていますが、中部では板寄方式となっています。

■関西商品取引所

コーヒー指数やコーン指数を上場しており、コメの試験上場を進めるなど、水・農産物を扱う取引所です。

■大阪商品取引所

繊維やゴムだけではなく、非鉄金属のアルミニウムなども上場している取引所です。前身の神戸ゴム取引所は日本で最初のゴムを扱った取引所になります。

■福岡商品取引所

唯一の本州以外にある商品取引所です。ブロイラーやとうもろこしなどを扱っています。

【上場商品例】


■金

有史以来人類が手にした金の総量は25メートルプール3杯分(14万5千トン強)と言われています。金は古来より通貨として使われてきたことから、現在も全体の20%は各国中央銀行又は公的機関が保有しています。有事の金買いと言われるように、紙幣が紙くずとなっても金は価値を失わないとされています。こうした性質からインフレの兆候で買われ、逆にインフレが抑制されると売られる傾向があります。金に関して注意することは、ドルとドル建て金価格の関係でドル高が金の弱材料、ドル安が金の強材料となります。

■ガソリン

ガソリンは自動車の燃料として消費される一般的な石油製品です。毎年春から夏にかけてGWや連休などの行楽シーズンになると需要の増加が予想されるため上昇する傾向にあります。ガソリンは石油を精製して作られるため、軽油や重油・灯油など他の石油製品の需給に影響され、石油元売各社や商社が自らの需給ギャップを埋めるため系列を超えて売買したりします。値動きは金よりも荒くハイリスク・ハイリターンの代表銘柄でしょう。

■ゴム

ゴムは工業品でありながら、植物の樹液が原料のため産地であるインドネシアやマレーシアなどの東南アジアの天候に左右されがちな商品です。また、天然ゴムの生産はゴム樹の植樹から採液まで、数年を要することから需要が増加しても直ちに生産量を増加することが出来ないため、投機的な値動きをし易い傾向にあります。

■コーヒー

コーヒーの原産地はアフリカのエチオピアになりますが、現在では世界中に広まり、赤道を中心とした北緯・南緯25度の間で生産されています。生育には適度な水分と気温に日照が必要なため、天候によって生産量に大幅な差が出ます。アラビカコーヒーの産地はブラジル、メキシコ、コロンビアでブラジルは世界の3割を生産する大国です。ロブスターコーヒーはベトナムやインドネシアが産地で、インドネシア一国でロブスターコーヒーの9割を生産しています。

■粗糖

粗糖は砂糖きびから採った甘しゃ糖と、てん菜から採ったビート糖があります。甘しゃ糖は亜熱帯、熱帯、ビート糖は比較的冷涼な地域で採れます。ブラジルやキューバなどの輸出動向が市場に影響を与えます。また、国内でも沖縄や北海道で生産されています。値動きが激しくなく、トレンドを作りやすいので初心者向きと言えるかも知れません。

■トウモロコシ

トウモロコシは世界中で生産されていますが、アメリカ一国で世界の5割を占めています。また、需要のほとんどが、飼料用と加工・工業用で、飼料用が5割を占めています。日本はそのほとんどを輸入に頼っており、アメリカへの依存がとても大きくなっています。アメリカの農務省からは、毎週様々な統計資料が公表されるため、情報量も多く比較的初心者にも取組み易い銘柄と言えるでしょう。

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